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 北朝鮮は8日午前11時(日本時間同午前11時半)から、平壌の金日成(キムイルソン)広場で北朝鮮軍創建70周年を記念する軍事パレードを行った。市民を含め約5万人が参加し、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長らが出席した。核・ミサイル開発の完成を誇示する一方、外国メディアの取材を認めず、国内行事であることを強調した。

 北朝鮮の軍事パレードは、昨年4月15日に故金日成国家主席の生誕105周年を祝って実施されて以来。金正恩体制で行われたパレードは6回目だが、朝鮮中央テレビは初めて生中継せず、8日午後5時から録画中継した。今回のパレードの所要時間は約1時間半で、前回の約2時間50分から半減した。

 パレードでは特殊部隊や戦車、装甲車、自走砲、多連装ロケット砲、弾道ミサイルなどが登場した。北朝鮮が昨年11月29日に試射に成功した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星(ファソン)15」(射程1万3千キロ以上)とみられる機体も登場した。正恩氏は1月1日の新年の辞で、米本土を攻撃できる核兵器を搭載したICBMの実戦配備を宣言していた。

 北朝鮮は平昌(ピョンチャン)冬季五輪参加を契機に、南北対話に熱心な韓国に接近。米韓同盟を弱体化させ、核保有を既成事実化する有利な条件で米朝対話に持ち込みたい考えだ。ただパレードの規模縮小などは、国際社会に向けた武力挑発であることを否定する狙いがある。9日から訪韓し、10日に文在寅(ムンジェイン)大統領と会談する正恩氏の実妹、金与正(キムヨジョン)党宣伝扇動副部長らの外交活動の障害にならないよう配慮したとみられる。

 韓国大統領府は8日、北朝鮮の金永南(キムヨンナム)最高人民会議常任委員長や金与正氏らが9日午後、チャーター機で仁川空港に到着すると発表した。

 一方、文大統領と8日夕に会談したペンス米副大統領は、北朝鮮の核と弾道ミサイル開発を完全かつ不可逆的に廃棄させるまで「可能な限り最大限の圧力をかける」と強調した。米側は北朝鮮に対する圧力を最大限に強化する方針だが、韓国は米朝対話の実現を促したい考え。米韓は平昌パラリンピック後に合同軍事演習を実施する方針だが、北朝鮮政策を巡って混乱する可能性が残されている。(ソウル=牧野愛博)