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 15歳11カ月。日本選手団最年少として五輪の舞台に挑むのは、スノーボードの国武大晃(ひろあき)(STANCER)だ。ワールドカップ(W杯)に今季デビューしたばかり。急成長の高校1年生が、メダル候補として平昌に乗り込んできた。

 2014年ソチ五輪から始まったスロープスタイルと、今大会からのビッグエアにエントリー。いずれも国際オリンピック委員会(IOC)が若者へのファン層の拡大を狙って採用した新しい五輪種目だ。

 新世代のアスリートらしく、五輪だからといって大げさに気合を入れるようなことはしない。「力まないで、楽しく滑りたい」。代表に内定した時も「決まったんだなーって感じ」とクールにかわし、自信を問われれば「まあ、あります」。

 愛知県出身で、天来のスノーボーダーと言っていい。父の大毅さん(45)は岐阜のスキー場で12年前に見た光景をはっきりと覚えている。全く滑れないはずが、板を前に向けて突然直滑降。起伏に引っかかって大きく飛んで大転倒したかと思ったら、「ケラケラ笑いながら『もう1回今のがやりたい』って。少し変わった子でした」。

 13歳の時にコーチを頼まれた佐藤康弘さん(43)はマット施設での空中技を見て、依頼を断った。アドバイスを聞かず、次々とより難しい技を繰り出す姿に「この子は変にいじらず、放っておいた方がいい」と父親に伝えた。実際、趣味で滑っている父親以外に「コーチ」と呼べる存在はいない。「自分ですくすく伸びていく。たまに、そういう子がいるんですよ」

 スロープスタイル予選がある10日は、16歳の誕生日。それでも「いつもと変わらないんじゃないですか?」。どこまでも涼しげに世界へ滑り出す。(吉永岳央)