【動画】平昌五輪に挑むスピードスケートの高木美帆選手=榊原一生撮影
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女子3000に今夜登場

 「私、平昌五輪が終わったらスケートをやめます」

 10日夜のスピードスケート女子3000メートルに出場する高木美帆(日体大助手)は昨季、ナショナルチームのデビットコーチに胸の内を打ち明けた。

 次々とシーズンベストを更新。ワールドカップの個人種目で初優勝もした。年間300日の合宿で自らを追い込んできた成果だ。だが一方で世界のトップと争う重圧も相当だった。食事がのどを通らない。「次の4年もこれを続けるのは厳しい」。五輪でメダルを狙うにはさらなる覚悟が必要。五輪後の競技人生は考えないと決めた。

ソチの落選が原動力

 4年前の出来事が原動力だ。2010年バンクーバー五輪に出場したのは15歳の時。「スーパー中学生」と注目され、続くソチ五輪での飛躍を期待された。だが、代表選考会で落選。五輪に出た姉の菜那(日本電産サンキョー)の姿をテレビで見て自分の甘さを痛感した。

 「変わらなきゃ」。中学時代から使っていた国産のスケート靴をオランダ製に変えた。15年にはナショナルチームがオランダ人コーチを招いた。環境の変化を嫌う高木美が、「行きたい」と自ら手を挙げた。

交通事故に遭っても

 昨季、コーチに覚悟を伝えた後、決めた。「逃げ出したくなる時こそ前向きに」。今季、自転車トレーニング中に交通事故で顔にけがを負っても、布で覆って氷上に立ち続けた。

 8年ぶりの五輪の大舞台。自身初の、そして全競技を通じて今大会日本勢初のメダルの期待がかかる。「日本にいい流れを呼び込みたい」。23歳の五輪が幕を開ける。(榊原一生)