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 バッハ・国際オリンピック委員会(IOC)会長の言葉は美しすぎて、逆に空虚に響くときがある。

 「平昌五輪は朝鮮半島に明るい未来をもたらす扉を開くことになる」

 「ロシアの新しい世代がクリーンなスポーツの親善大使として、懸け橋になってほしい」

 文句なしの理想なのだが、今の世相に照らすと、いささか能天気にも映る。

 氷上競技会場がある江陵から車で20分ほどの海岸には22年前、北朝鮮の潜水艦が座礁し、北の乗組員と韓国側が銃撃戦になった。地元の人に統一への期待を尋ねると、「今は現実味がない」。世代を問わず、そんな答えが支配的だった。前日は平壌で軍事パレードの挑発があった。

 国際社会から孤立する北朝鮮の選手を迎え入れることで、五輪期間中の軍事衝突の脅威は減る。だとしても、韓国の大統領府が仕掛けたアイスホッケー女子の南北合同チーム受け入れは強引だった。本来、IOCが忌み嫌う政治によるスポーツ介入そのものだった。

 ロシアの国家ぐるみのドーピン…

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