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 梅毒の症状は第1期から第4期の四つに大きく分けられます。

 梅毒に感染すると、感染した部位で梅毒トレポネーマが増殖します。潜伏期間の平均は3週間といわれており、その後感染部位に初期硬結と呼ばれる硬いしこりができます。これが潰瘍(かいよう)となり、近くのリンパ節が腫れます。この潰瘍は梅毒患者の約半数でみられます。痛みがないため気づきにくい一方、多量の菌が存在するので強い感染力を示します。これらの症状を第1期梅毒と呼びます。

 第2期梅毒は感染の数週間から数カ月後にみられる症状です。この時期は梅毒トレポネーマが血液を通じて全身に回っています。1~2センチ以下の目立たない赤い斑点「バラ疹」が多数出現し、数週間で自然に消えます。その後、体や四肢に0・5センチほどの赤いブツブツがみられる場合があります。これを「梅毒性丘疹」とよびます。

 第2期の症状は多様で、ほかにもあります。「梅毒性乾癬(かんせん)」は、手のひらや足の裏に白いカサカサと赤い斑点がみられる、比較的多い症状です。これらはいずれもかゆみがありません。「扁平(へんぺい)コンジローマ」という肛門(こうもん)や外陰部の平らなできものは、約1割の例でみられます。「梅毒性アンギーナ」では、口の中や咽頭(いんとう)などの粘膜が赤くなり、徐々に白く変化していきます。扁平コンジローマや梅毒性アンギーナは強い感染力があります。そのほか、脱毛や発熱、頭痛、のどの痛み、肝機能障害などが出現する場合があります。

 第3期梅毒は感染後3年でみられ、「結節性梅毒」や「ゴム腫」が特徴です。結節性梅毒は顔・体・四肢にみられる卵程度の大きさのできもので、ゴム腫は深い潰瘍を伴うできものです。ペニシリンの開発以降、日本ではほとんど見られなくなっています。

 第4期梅毒へは感染後約10年で移行し、大動脈瘤(りゅう)や大動脈炎などの心血管病変、進行まひといった神経病変がみられます。

<アピタル:医の手帳・梅毒>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(ながたクリニック 増井由紀子医師(皮膚科))