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 政府と野党側の対立が深まるインド洋の島国モルディブで、同国最大手で独立系のニュース放送局ラージェTVが8日夜、放送を停止した。地元メディアなどが報じた。ヤーミン政権による5日の非常事態宣言以降、放送局への放火や記者への暴力などの脅迫が相次いだためだ。

 同局は2013年の大統領選の前にも放火されており、「社員の安全のため放送を停止する以外に選択肢がなくなった」としている。地元記者は取材に「インターネットも遮断される恐れがある」と話した。

 一方、インド外務省などによると、9日夜、AFP通信の記者2人が首都マレで逮捕されたという。インド政府が確認を急いでいる。

 モルディブでは、最高裁が1日、野党のナシード元大統領(英国に亡命中)ら政治犯9人を無罪とし、政治犯の釈放や罷免(ひめん)された国会議員の復権を命じた。ヤーミン大統領がこの命令を無視したことに野党側が反発、抗議デモが起きた。ヤーミン大統領は5日に非常事態宣言を出し、集会の自由などを制限。警察は最高裁判事2人を逮捕した。こうした事態を受け、ナシード氏は密接な関係を持つインドに、ヤーミン大統領は関係を強めてきた中国に支援を求め、対立と混乱が深まっている。(ニューデリー=奈良部健)