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 米トランプ政権は12日、日米ロ、欧州、カナダが参加する国際宇宙ステーション(ISS)への政府予算支出を2025年に打ち切る方針を明らかにした。この日発表した2019会計年度の予算教書に盛り込んだ。政権が掲げた月探査に重点を置くため、地球近くのISSの運営は民間に移行させたい考えだ。

 米航空宇宙局(NASA)は、毎年ISSの運営に30億~40億ドル(約3200億~4300億円)を使っている。予算教書は「政府計画を段階的に廃止し、商業化または官民での運営に移行することでコストを削減する」として、25年でISSへの直接予算の打ち切りを明記。運営を民間に移行するため、19年度から毎年1億5千万ドル(約163億円)を企業支援に充て、NASAも使えるような民間ステーションの建設も促すとしている。

 一方で、NASAは月近くに新たな宇宙ステーション「月軌道プラットホーム・ゲートウェー」を建設するため22年に電源・推進装置を打ち上げ、23年に有人飛行を行うとしている。

 ISSの使用期限は24年までで参加各国が合意している。技術的には28年までの使用は可能とされているが、再延長するかは決まっていない。米議会や産業界からは、政府予算打ち切りに反対する声が大きい。

 日本を含む参加国の対応も注目される。3月に東京で政府レベルの会合、第2回国際宇宙探査フォーラム(ISEF2)が開かれる。月探査の枠組み作りや、米が予算を打ち切った後のISSのあり方が議論されるとみられる。(ワシントン=香取啓介)

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 《国際宇宙ステーション(ISS)》 1984年にレーガン米大統領が提唱したのがきっかけ。日米ロ、欧州、カナダの15カ国が参加し、98年に建設開始。2000年から宇宙飛行士が長期滞在している。投資額は1千億ドル(約11兆円)程度とされ、日本は約1兆円を負担した。サッカー場程度の大きさで、地球の約400キロ上空を1周約90分で回っている。地上からも肉眼で見ることができる。