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 巨額の不正流出を起こした仮想通貨交換業者「コインチェック」が13日、金融庁に業務改善計画を出した。資産の安全管理を強化し経営体制を改めるとしたが、顧客は今なお仮想通貨を引き出せず、不正流出の補償時期も明らかになっていない。急成長に業界の体制整備が追いつかないことが鮮明になり、規制強化の声が強まっている。

 「お答えしたいが、決まってからちゃんと…」。13日夜、コインチェックが入る東京・渋谷のビルの1階ロビーで会見した大塚雄介取締役は、不正流出した仮想通貨NEM(ネム)の所有者への補償時期などについてあいまいな答えに終始した。

 金融庁に提出した改善計画も項目を公表しただけで、詳細な内容は「金融庁とのやりとりは答えられない」。「継続して事業をさせていただく」などと繰り返すだけだった。

 今回の問題で、金融庁はコインチェックの不十分な説明に振り回されてきた。同社は先月26日の問題発覚後も情報公開が遅れ、同庁に促されて会見した経緯がある。同庁は同29日に異例の早さで業務改善命令を出した。それでもコインチェックは30日に突然、近く出金再開の見通しを示すと公表。金融庁には「寝耳に水」(幹部)で、対応を不安視して今月2日、立ち入り検査に踏み切った。

 1日には他の交換業者31社にも緊急報告を求めたところ、安全管理体制などの不備が次々に見つかった。他の業者にも検査に入る方針で、仮想通貨監視チームの30人以外の検査官もかき集めている。「我々の目で確認するまで、彼らの言葉は信用しない」(幹部)

 金融庁は仮想通貨が金融とITを融合した「フィンテック」推進に寄与すると考えてきた。「登録制」という緩やかな規制にとどめ、成長を促したが、完全に裏切られた。

 海外では規制の動きが広がり、当局から警戒の声が相次ぐ。仮想通貨が日本円など法定通貨に取って代わるとの見方は少ないが、バブル的な投機で金融市場に悪影響を与えるとの懸念が広がる。

 金融庁は13日、日本で無登録で営業するマカオの仮想通貨事業者に業務の即時停止を求めた。改正資金決済法で初の警告だ。しかしネットで営業する海外業者への実効性は未知数。無登録業者への強制措置は捜査当局に任される。同庁幹部は「今の改正資金決済法の枠組みでは限界がある」と認める。

 巨額流出は開会中の通常国会でも取り上げられ、日本でも規制強化を求める声が強まる。今後は、一定期間の審査を経ても登録に至らない業者の市場退出や、仮想通貨を株式などと同様に厳しいインサイダー規制を課す金融商品取引法の枠組みに位置づけることが議論される可能性がある。(榊原謙)

■仮想通貨、まだ引き出…

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