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奨学金破産

 2年前の冬。還暦を過ぎた父は、母方の叔父の家まで足を運び、頭を下げた。

 「娘が自己破産をさせていただきます。何とか私で食い止めますので、迷惑はかけません」

 娘は30代になった。大学へ行くために日本学生支援機構から奨学金476万円を借りていた。父に連帯保証人、叔父に保証人になってもらった。卒業からしばらくして、返還金の重さに耐えられなくなった。

拡大する写真・図版奨学金の返還を続ける父親(右)と娘=愛知県内(画像の一部を修整しています)

 高校時代は生徒会長。テレビやラジオの世界で働きたくて私立大学のメディア系学科に進んだ。だが、生活費も稼ぐために複数のアルバイトを掛け持ちし、疲れ切って勉強に身が入らなかった。就職氷河期と言われた2010年春、業種を問わず15社を受け、愛知県内の遊興施設に就職した。奨学金を返すことを優先した。

 しかしまもなく、職場の人間関…

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