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 がんだけでなく、すべての病気に緩和ケアを――。そんな理念を盛り込んだ宣言を、千葉県内の緩和医療に携わる医師や看護師らでつくる「千葉緩和医療学会」が17日、採択する。宣言を通して、がんに偏りがちな日本の緩和ケアを見直すきっかけにしたい、という。

 宣言は「鴨川宣言2018」。17日に鴨川市の亀田総合病院で学術大会が開催されるのにあわせ、採択される予定だ。緩和ケアを必要とするすべての患者と家族が「当然の権利」として、ケアを受けられることを目標として明記。学会員はそれぞれこの目標に向け、「日々努力すること」を宣言する。

 大会長で亀田総合病院疼痛(とうつう)・緩和ケア科の関根龍一部長によると、世界保健機関(WHO)は緩和ケアを「新生児から高齢者まですべての年代、疾患に対し提供されるべきもの」との考え方を示している。一方、日本では現在、緩和ケアチームが患者のケアに介入した際に診療報酬が加算されるのは、がんとエイズのみ。新年度から末期心不全が加わる予定だが、こうしたこともあり、日本ではがんを中心に緩和ケアが進められてきた。高齢化に伴い増えている心不全の患者らも、呼吸困難などの苦痛が大きいが、ケアを受けられる体制は十分に整っていないという。

 関根さんは「緩和ケアへの考え方をいま変えないと、超高齢社会に対応できない」と話す。厚生労働省は昨年11月、こうした状況の改善に向け、有識者による作業チームを立ち上げ、議論を始めている。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(武田耕太)