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(14日、平昌五輪フィギュアスケート・ペアSP)

 自分たちのためだけに滑るのではない。

 ペアの須崎海羽(みう)、木原龍一組(木下グループ)の木原は、「僕たちが頑張ることで、ペアの人口が増えて環境が少しでも改善されれば」と願う。難しい3回転ルッツを2人で決め、男性の補助で女性が跳ぶスロー3回転ジャンプも決めた。自己ベストでショートプログラム(SP)を滑りきり、「日本ペアの可能性を見せられた」。

 代表最終選考会を兼ねた昨年の全日本選手権は3組で争った。「さみしいなと思った」と木原。冒頭の願いを持つようになった。

 他にも頑張る理由がある。この五輪出場枠を取った須藤澄玲、フランシス・ブードロオデ組は、日本人とカナダ人で組むので、五輪に出られない。2人は、今後の目標を見失ってしまった。2012年世界選手権銅メダルの高橋成美、マービン・トラン組も同じ壁にぶつかった。その後、高橋と組んで前回ソチ五輪に出た木原は、「他の人の気持ちを忘れず、その人たちの分まで頑張りたい」。

 日本で練習場の確保が難しいことが原因の一つだ。男性が女性を持ち上げる技を練習するとき、安全確保のためにリンクを広く使う必要がある。だが、融通が利く所はわずかだ。自治体などがリンクを造るという構想が浮上しては、日本スケート連盟の働きかけもむなしく、消えていく。外国籍選手が日本国籍取得を考えても、練習場が少ないので日本に住めない。

 須崎は「技一つ一つがダイナミックな点が魅力」、木原は「達成感はシングルの時の倍以上になる」とペアの魅力を話す。米デトロイトを拠点とする2人は、未来の日本ペアの発展のために魅力発信の意識もある。(後藤太輔