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 ノルディックスキー複合個人ノーマルヒルで2大会連続銀メダルの渡部暁斗(29)=北野建設=は、我が道をひたすら究めてきた。「複合」の英語(combined)をもじって自ら名付けた「コンバイン道」。「地位や名声なんてどうでもいい」。ただ誰よりも遠くに飛び、誰よりも速く滑りたい――。自身4度目の五輪も、そのシンプルな情熱だけを携え、挑んだ。

 実家は長野県白馬村のジャンプ場の近く。長野五輪があった1998年、小学3年だった渡部暁は、ジャンプ団体での日本の金メダルを会場で見ていた。小学4年でジャンプを始めるに至った原体験だ。

 そのころから探究心の塊だった。父の修さんは、小学校高学年の渡部暁の「実験」が忘れられない。

 「暁斗は研究熱心だった」。自宅の階段をジャンプ台に見立てジャンパーの模型を2階から1階に向かって飛ばす。どんな姿勢がより遠くへ飛ぶか。毎日のように投げ続け、考えた。

 高校2年で2006年トリノ五輪に出場した長野・白馬高時代。スイッチが入ったら、授業中でもお構いなしに競技をイメージした。不意にしゃがみ込んで、ジャンプの助走姿勢の確認。スケートのように板を滑らす距離スキーの動きをしながら、廊下を滑るように教室に向かうこともあった。

 ヨガやボルダリング、山道を走…

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