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 最低気温が零下にもなるこの時期、入浴時の寒暖差によって心筋梗塞(こうそく)などを引き起こす「ヒートショック」のリスクが高まっている。2016年の東京23区内での入浴中の死者のうち半数以上が1~3月と12月の冬場に集中。ヒートショックが原因となったケースが多数を占めるとみられ、専門家は「脱衣所や浴室を暖めてから風呂に入ってほしい」と注意を促している。

 ヒートショックは、周囲の温度の急激な変化により、血圧が急激に変動することで起きる。冬場は脱衣所や浴室の気温が下がっている状態で裸になったり、冷えた体で浴槽の暖かい湯につかったりすることで血圧が大きく上下する。血圧が上がる際に心筋梗塞で倒れたり、血圧が下がる際に失神して溺死(できし)したりする恐れがあるという。

 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(板橋区)の調査では、11年の1年間で、全国で約1万7千人が入浴中にヒートショックによって急死したと推計。そのうち8割ほどの約1万4千人が高齢者とみられるという。都の監察医務院(文京区)によると、23区内での入浴中の死亡者は16年は1406人で、1~3月と12月に半数以上の784人が亡くなっている。

 同センターの元副所長で多摩平の森の病院(東京都日野市)の高橋龍太郎院長によると、脱衣所を暖房器具で暖めたり、高い位置のシャワーから浴槽に湯を張って浴室全体を暖めたりするなど、居室との気温差を事前に小さくする対策が有効だ。また、湯の温度を41度以下にするなど、暖かすぎる湯に入らないことも重要だという。

 高橋院長は「一人で風呂に入れる人こそヒートショックのリスクが高まる。『私は大丈夫』などと思い込まないでほしい」と指摘。「自覚がなくても、体は温度差にストレスを感じている。対策を怠らないでほしい」と訴えている。(遠藤雄司)

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●入浴時のヒートショックを防ぐポイント(都健康長寿医療センターによる)

・暖房器具などを利用し浴室、脱衣所を事前に暖める

・気温が低くならない日没前に入浴する

・浴槽のお湯の温度は41度以下にする

・血圧が下がりやすい食事直後や飲酒後の入浴を控える

 

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