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東京都立葛飾総合高校(上)

自分が努力しているところは、必ずどこかで誰かが見てくれている

 吹奏楽コンクールやマーチングコンテストに出場しているが、全国大会に進出したことはまだない。けれど、今、注目を集めているのが東京都立葛飾総合高校吹奏楽部だ。

 2014年に人気バンド「SEKAI NO OWARI」のシングル「炎と森のカーニバル」のレコーディングに参加し、2015年にはアイドルグループ「仮面女子」のさいたまスーパーアリーナワンマンライブで共演。昨年11月にはロックバンド「ORANGE RANGE」のライブにも出演を果たした。

 ある意味、全国大会と同じくらい貴重な経験をしているバンドなのだ。それを支えているのが抜群の「ポップス力」。シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会には第1回から出場し、今年2月にあった第6回大会では最高賞の「総合グランプリ」に次ぐ「グランプリ」を受賞した。吹奏楽コンクールにおいても、「葛飾総合高校の演奏では客席がライブ会場のように盛り上がる」と言われるほどだ。

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 ポップスの合奏練習で、2年生のユーフォニアム担当で学生指揮者の「イガミホ」こと五十嵐美穂が、リーダーとして前に立っていた。テンポは打楽器に任せ、指揮は振らない。イガミホが「そこはもっとゴリゴリ吹いてください」などと指示を出すと、部員たちは「はい!」ではなく、「イエイ!」とこたえる。

 そんな明るく、生き生きとした雰囲気にひかれて、イガミホは葛飾総合高に入った。小学校4年で金管バンドを始め、中学校でも吹奏楽部に所属していたが、葛飾総合高で初めて「本物のポップス」を知ることになった。

 コンクールを中心としたスクールバンドの世界では、音程や音の出だしをきっちりそろえることが重視される。もちろん、それも大切ではあるが、イガミホがポップスを演奏する上で顧問の山田泰之から言われたのは「大事なのはグルーヴだ」ということだった。

 グルーヴとは、音楽的なノリやうねりを意味する言葉だが、イガミホには最初そのニュアンスがわからなかった。先生に勧められて「ファンクの帝王」と呼ばれたジェームズ・ブラウンなどの音楽に触れたとき、愕然(がくぜん)とした。

 「私の知らない世界があった!…

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