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 安倍政権が今国会の最重要法案と位置づける「働き方改革関連法案」をめぐり、安倍晋三首相が14日の衆院予算委員会で、先月の答弁を撤回し、おわびした。首相が国会で答弁を撤回し、謝罪するのは異例だ。長時間労働を助長するとの指摘が根強い裁量労働制をめぐるやりとりが、なぜこのような経緯をたどったのか。

 首相が撤回したのは、裁量労働制で働く人の労働時間についての答弁。1月29日の衆院予算委で「平均的な方で比べれば、一般労働者よりも短いというデータもある」と語った。野党や専門家から、「一方的なデータだけを言っている」などの批判が出ていた。

 「不適切なデータだったのは間違いない。これ以上国会であの数字を言い張るのは難しい」。撤回劇について、厚生労働省幹部はこう解説する。

 首相が答弁の根拠とした「労働時間等総合実態調査結果」は、厚労省が2013年10月にまとめたもの。当時検討されていた裁量労働制の対象拡大などについて議論の参考にするための資料だ。それによると、裁量労働制で働く「平均的な人」の労働時間は、一般労働者より1日20分前後短かった。

 だが、双方の算出方法は異なり、「そもそも比較できる性質ではなかった」(厚労省幹部)。裁量労働制では1日の労働時間を調査したのに対し、一般労働者については1日の残業時間のみを調査。この平均値に法定労働時間(8時間)を足す形で1日の労働時間を算出していた。8時間未満しか働いていない人を含み、過大なデータとなっていた可能性がある。

 厚労省は今国会の首相答弁のため、問題のデータを含む資料を首相官邸に提供したという。ある厚労省幹部は「何であんなデータを官邸に出したのか不思議だ」といぶかるが、別の幹部は「あえて言及する必要はなかったが、首相は野党に反論したかったのでは」とみる。

 裁量労働制は実際の労働時間にかかわらず、一定時間働いたとみなして残業代込みの賃金を払う制度。野党側は「長時間労働を助長する」などと対象業務の拡大への批判を強めている。

 批判をかわそうと、政府は過去…

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