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 日本を代表する近代作家の自筆資料などを集めた「近代文学の夜明け」が、福井市下馬町の県ふるさと文学館で開かれている。明治維新150年にちなんだ企画。文豪・夏目漱石の自筆草稿など貴重な資料約100点が展示されている。3月25日まで。

 三つのコーナーに分かれ、第一章「身近な表現の創造」では、1885(明治18)年に発表された坪内逍遥の「小説神髄」が契機となって、西洋の小説を学んだ作家たちが新しい小説の手法や文体を模索していく様子を紹介する。島崎藤村や二葉亭四迷らの取材ノートや原稿、書籍、愛用品などが展示されている。

 第二章「新たなテーマへの挑戦」では、西洋の自由な個人主義や合理主義に衝撃を受けた作家たちが、新しいテーマを切り開いていった軌跡をたどる。ドイツ留学を経験した森鷗外は海外生活を描いた作品や社会批評を込めた作品、夏目漱石はユーモアや風刺の利いた作品、エゴイズムを追究した作品を発表した。樋口一葉は女性の内面を描いた作品を世に出した。

 漱石が朝日新聞に連載した「道草」の自筆草稿(日本近代文学館蔵)や、「行人」の新聞連載を単行本にするため、新聞の切り抜きに自ら校正を書き入れた原稿(同文学館蔵)なども展示している。樋口一葉の「にごりえ」「たけくらべ」の自筆草稿もある。

 第三章では福井ゆかりの岡倉天心が、世界に日本文化を発信するために書いたオペラの台本や英文作品の初版本などを集めた。無料。月曜休館。(堀川敬部)