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 第三者の精子や卵子を使った不妊治療で生まれた子に、経緯を包み隠さず伝える試みが広がっている。事実を知らせるのはよくないとされてきたが、「出自を知る権利」の大切さが理解されるようになった。子どもが大きくなって希望すれば、提供者の情報にアクセスできるようにする取り組みも始まっている。

 「医師には『だれにも話さない方がよい』と言われたが、子どもが成長するにつれ、うそが重荷になってきました」

 昨年12月、神奈川県内であった「すまいる親の会」の勉強会。第三者の提供精子による人工授精(AID)で娘を産んだ織田はなさん(仮名)が自らの体験を語った。同会はAIDの当事者でつくるグループで、AIDを検討するカップルなどに情報を提供している。約40人が参加した。

 織田さんは9年前、娘が13歳の時にAIDで生まれた事実を伝えた。娘は「うん、わかった」と答えたという。「もしかしたら荒れ狂うかもしれないと心配していたけど、気が抜けてしまいました」。娘は現在大学生。告知後も親子関係に変化はないという。

 約10年前に無精子症がわかったという男性は、AIDで息子を持つまでの夫婦の体験を披露した。「息子はまもなく3歳。そろそろ告知のタイミングだと考えています」

 子どもへの告知は「テリング」と呼ばれ、絵本などが使われることが多い。織田さんは講演で「おかあさんのたまご」と題した告知に使う自作の紙芝居を紹介した。

 会の事務局を務める清水清美・城西国際大教授(看護学)は「少しずつだが告知への理解や取り組みは広がっている。AIDで新しい家族をつくったことを誇りと自信を持って子どもに伝えてほしい」と話す。

提供者情報には接触できず

 AIDは1948年に慶応大学病院(東京)で始まり、これまで1万人以上の子どもが生まれた。日本産科婦人科学会(日産婦)の統計によると、2015年には1029人がAIDを試みて、86人が生まれた。

 日産婦に登録された実施施設は…

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