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 平昌五輪のフィギュアスケート男子で羽生結弦(ANA)が66年ぶりの五輪2連覇を狙う。前回、連覇を達成したのは1948年サンモリッツ(スイス)大会、52年オスロ(ノルウェー)大会を制したディック・バトン(米)。以降、16大会も五輪連覇を達成した選手はいない。66年前――。羽生はどんな時代に達成された偉業に挑むのだろうか。

 66年前、フィギュア界は3回転ジャンプが珍しかった。米国フィギュアスケート協会の資料によると、バトンはオスロ五輪で主要国際大会などでは世界初となる3回転ループを成功させて金メダルに輝いた。当時、朝刊は4ページしかなかった朝日新聞(東京版)も「トリップル・ループ・ジャンプ(空中で三回転するジャンプ)の新技術をみせて、前回のサンモリッツ大会に続いて連続優勝をとげた」と伝えている。

 さらに、バトンはその前のサンモリッツ大会で、世界初(主要国際大会などで)のダブルアクセル(2回転半)を跳んで、金メダルを獲得している。今、ダブルアクセルや3回転ループは日本の小学生でも跳ぶ。男子のトップ選手が金メダルを獲得するには、複数の4回転ジャンプを成功させないと難しい時代になった。

 このオスロ大会は4競技22種目で、30カ国694人が参加した。終戦から7年後だった日本は36年のベルリン五輪以来、16年ぶりに五輪に復帰したが、この年の夏にヘルシンキ五輪が控えていたため、派遣費の調達が困難で日本選手団は選手と役員計18人の小所帯で編成された。フィギュアスケートには誰も出場せず、スピードスケート男子500メートルの高林清高が6位入賞を果たしたのが最高成績だった。

 そんな時代の記録に挑戦する羽生は、2年前に世界初(国際スケート連盟公認の大会で)の4回転ループを成功させた。3回転ループを初めて成功させて五輪を連覇したバトンと自分自身を重ね合わせ、「ループ成功者もすごくいい験担ぎがあって、そういったいい流れが自分にきているなって思い込んでいます」。16日、いよいよ羽生の平昌五輪が幕を開ける。