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 24時間営業の書店とカフェを併設したホテルが20日、名古屋市の都心部に開業した。周辺はビジネスホテルの進出が相次ぐ激戦区。お気に入りの一冊を購入し、読書に適した部屋で活字の世界に没頭してみては――。

 ホテル名は「ランプライトブックスホテル名古屋」(名古屋市中区錦1丁目)。市営地下鉄伏見駅から徒歩3分、下園公園そばにある。ソラーレホテルズアンドリゾーツが運営し、地上13階建ての70室。シングル1室の料金は1泊8千円が目安となっている。

 「本の世界を旅する」というコンセプトで、1階では約3千冊の本と雑貨が購入できるカフェが24時間営業する。本のジャンルは旅行、ミステリーが中心で、洋書が1割程度ある。宿泊客以外も利用できる。本を買わずに客室に持ち込むことはできない。

 客室には読書専用のソファと、目に優しい照明を設置。おすすめの本も置かれている。内覧会のあった15日に記者が見学した部屋には、外国の都市を取り上げた写真集や江戸川乱歩の短編集など4冊があった。

 厚生労働省の報告書によると、名古屋市にあるホテル・旅館の客室数は2016年度、2万7423室だった。14年度から約1600室増え、競争が激化している。ホテルの担当者は「価格競争するのではなく、ファンに支持されるホテルを目指したい」としている。

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 オープン初日の20日は、開店時間の午前10時から、スーツ姿の人や散歩中の人などが次々と来店した。喫茶スペースでは、陳列された本を見て歩いたり、マグカップを片手に絵画の作品集を眺めたりして、ゆったりした時間を過ごしていた。

 本好きの名古屋市東区の主婦高杉ひとみさん(49)は「私的には最高。現実逃避をしたいときに泊まるのもいいですね」と話し、好きな翻訳家の本を見つけて笑顔だった。同市の会社経営者小嶋秀雄さん(59)は「名古屋は芸能や文化が弱いと言われていますが、こういう名古屋発の場所が広がったらおもしろい」と話した。

 広報担当者は「ご近所の方も来てくださって、初日から地元になじんでいるのかなと思い、うれしい」と話した。(吉本美奈子、寺田実穂子)