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 安倍内閣は16日午前、日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁(73)を再任し、副総裁に若田部昌澄(まさずみ)・早稲田大教授(52)と雨宮正佳(まさよし)・日銀理事(62)を起用する同意人事案を衆参両院の議院運営委員会理事会に提示した。両院の同意を得て正式決定する。任期は2023年までの5年間。

 黒田氏の総裁再任は4月9日付。5年の任期を超えて務めるのは56~64年の山際正道氏以来で、戦後3人目。黒田氏が次期の任期を満了すると、歴代総裁で初めて10年務めることになる。中曽宏副総裁(64)と岩田規久男副総裁(75)は3月19日付で退任する。

 財務省財務官出身の黒田氏は、12年末の政権交代で発足した安倍政権のもとで、13年3月総裁に就任。同4月に「アベノミクス」の要の異次元緩和を開始した。物価上昇率は目標の2%に達していないが、政権からは株価上昇や雇用改善の実績を高く評価され、安倍晋三首相は「手腕を信頼している」と明言していた。

 副総裁候補の若田部氏は、金融緩和の拡大に積極的な「リフレ派」。消費増税には消極的で、リフレ派の岩田現副総裁の考え方に近い。昨秋の朝日新聞のインタビューでは、日銀の国債購入量が減ることを「緩和効果が小さくなるので矛盾がある」と問題視。追加緩和についても「真剣に考えなければいけない」と述べていた。

 日銀生え抜きの雨宮氏は、金融政策立案を担う企画部門を長く経験し、現在は企画局と金融市場局などの担当理事。黒田総裁の「知恵袋」として信頼が厚く、マイナス金利や長期金利操作といった新政策の導入を手がけてきた。

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 黒田東彦氏(くろだ・はるひこ)東大卒、67年大蔵省(現・財務省)に入り、財務官、一橋大教授、アジア開発銀行総裁を経て、13年3月から第31代日銀総裁。73歳。

 若田部昌澄氏(わかたべ・まさずみ)早大卒、早大院修了。早大助教授などを経て早大教授。専門は経済学史。52歳。

 雨宮正佳氏(あまみや・まさよし)東大卒、79年日銀に入り、企画室参事役、考査局参事役、政策委員会室審議役、企画局長を経て10年6月から理事。12年5月から13年3月まで大阪支店長。14年6月理事に再任。62歳。