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 「また一緒に、血を吐く練習をして頑張ろう」。ノルディックスキー・ジャンプの45歳、葛西紀明(土屋ホーム)は、ともに出場した平昌(ピョンチャン)五輪で9位に終わった女子個人の伊藤有希(同)をそう励ましていた。15日にあった男子個人ラージヒル(HS142メートル)の公式練習後、葛西が報道陣に明かした。

 葛西によると、ジャンプ女子から一夜明けた13日、伊藤が所属チームの監督を務める葛西にバレンタインのチョコレートを届けようと、選手村の部屋を訪ねてきた。

 「今回は残念だったな」。そう声をかけると、伊藤は大粒の涙を流し始めたという。「僕も悔しかった。危うく、もらい泣きするところだった。気が緩んだのかな。相当泣いていました」。チームは例年、夏シーズン前に沖縄で合宿をする。葛西は涙を流す伊藤に対し、「宮古島から頑張ろうな」と励ましたという。

 伊藤は土屋ホームに2013年に入社。初出場した14年ソチ五輪は7位だった。昨季は初優勝を含むワールドカップ5勝で総合2位。今季は平昌五輪に焦点を定めていた。「昨季の優勝で見られた観客のみなさんの笑顔が、また平昌の地で見られるようなジャンプをしたい」。だが、本番では2回とも不運な追い風に当たり、飛距離は94メートル、93メートルと伸びなかった。(勝見壮史)