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 政府が新たな高齢社会対策大綱で「エイジレス社会」を目指すと宣言した。高齢者になるべく長く働き続けてもらい、経済の「支え手」に回ってもらうことで少子高齢化を乗り切ろうとの思惑だ。多彩な施策のメニューをそろえたが、実現にはハードルがある。

 「すべての年代の人々が希望に応じて活躍できるエイジレス社会を目指す」

 安倍晋三首相は16日の高齢社会対策会議でこう述べた。エイジレス社会は人を年齢で区別せずに意欲や能力に応じて生活し、負担もしてもらう社会を意味する。首相は昨秋の衆院選で少子化を「国難」と位置づけ、大綱も「これまでの我が国の社会モデルが今後もそのまま有効である保証はない」と危機を強調。「10年、20年先を見据えて持続可能な高齢社会を作っていくことが必要」と構造改革を進める決意を示した。

 背景には急速に進む少子高齢化がある。1995年に約8700万人だった15~64歳の生産年齢人口は、2015年までの20年間で約1千万人も減った。一方で、65歳以上は約3500万人に倍増。この流れに歯止めはかかりそうにない。高齢者1人に対する15~64歳の「支え手」の人数は15年の2・3人から、65年に1・3人になる見込みだ。対応策を協議している自民党の「一億総活躍推進本部」の中心議員は、「このままでは社会そのものが持たないのは明白」と話す。

 一方で高齢者の健康寿命は延び、働く意欲も高まっているとのデータがある。13年の健康寿命は男性が71・2歳、女性が74・2歳で、それぞれ01年から1・8歳、1・6歳延びた。14年の内閣府の調査では、仕事をする60歳超の8割が「70歳以上まで」か「働けるうちはいつまでも」働きたいと答えた。総務省の労働力調査では、昨年の65歳以上の就業者数は約807万人。10年間で1・5倍になった。

 大綱の施策では、こうした希望する人たちが働き続けられる環境作りが柱となった。さらにある一文が盛り込まれた。「65歳以上を一律に『高齢者』と見る一般的な傾向は、現実的なものではなくなりつつある」。政府関係者によると、菅義偉官房長官がこだわった表現だという。高齢者が元気なうちは「支えられる側」から「支える側」に回るものだと、社会の意識も変えていこうとの狙いとみられる。

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