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 シリア北部デリゾールでの米軍のアサド政権側への空爆でロシア人が死亡した問題で、ロイター通信は15日、ロシア人の死者が100人に上る可能性があると伝えた。事実ならば大規模なロシア人部隊が戦闘に参加していることになる。ロシア政府は死者が多数に上ることや軍の関与は否定しているが、民間人が政権側で戦闘に加わっている可能性は認めた。

 今月7日、ロシアが支援するアサド政権側部隊が、米ロで合意した衝突回避ラインを越え米軍部隊が同行するクルド人勢力主体の「シリア民主軍」(SDF)の拠点を攻撃。空爆は米軍が反撃する形で実施した。

 同通信は、ロシア軍医などの証言として、ロシア人の死者は80~100人で、負傷者を含めると300人に上るとした。ロシア人は民間の軍事企業に所属しているとされる。また、攻撃に参加したアサド政権側の部隊は約550人とし、部隊の半数以上がロシア人だったことになる。

 ロシア外務省のザハロワ報道官はこの戦闘で100人以上のロシア人が死亡したとの報道は「デマだ」とする一方、「死者は5人でロシア国民と見られる」と認めた。一方で「紛争地には、ロシア人も含めて多数の民間人が来ている。違法な手段で入る者もいて把握は困難だ」と述べ、ロシア軍とは関わりがないとする見解を強調した。(ワシントン=杉山正、モスクワ=喜田尚)