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 川崎市の有料老人ホームで2014年、入所者の男女3人が相次いで転落死した事件の裁判員裁判が16日、横浜地裁であり、殺人罪に問われた元職員の今井隼人被告(25)が取り調べで犯行を自供する様子を撮影した動画が法廷で初めて流された。今井被告は裁判で無罪を主張している。

 この日流されたのは、16年2月15日に神奈川県警が今井被告に任意の取り調べを行ったときの録画。同日の午前8時過ぎ、取調室で向かい合った捜査員から「本当のことを全部話せるか。実際はどうなの」と聞かれ、今井被告は「3人の転落に関して手をかけたのは事実。僕が殺そうと思って殺したのは事実です」と淡々と話した。さらに「精神的に不安定だったので煩わしくなった」などと3人を殺害した動機をよどみなく語った。

 捜査員から「なぜ(本当のことを)隠していたのか」と問われると、今井被告は「殺人鬼のようなことをしているのは分かっていた。真実を言う勇気が無かったし、(捜査員が)本当に話を理解してくれるか分からなかった」と話した。

 この裁判で弁護側は、録音・録画が始まる前の取り調べで、捜査員から圧力や誘導があったと主張している。(古田寛也)