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 京都ゆかりの識者に聞く「京の視座」。語り手は木琴・マリンバ奏者で、アンティーク着物の収集やエッセーでも知られる通崎睦美さん。下京区の職人の多い町で生まれ育った通崎さんが、京都人の暮らしと文化について語ります。聞き手は近現代日本思想の研究者、中島啓勝さんです。

 ――4月にニューヨーク州立大学オスウェゴ校の招きで渡米し、5カ所で木琴コンサートを開くそうですね。

 「1935年アメリカ製の木琴を里帰りさせたくて、100キロを超える楽器を携えての一人旅です」

 ――昨年は府立文化芸術会館(上京区)の連続講座「芸術は何処(いづこ)へ?」の進行役も務められました。絵画や骨董(こっとう)などもお好きと聞いています。

 「講座では、学者の先生と実演する自分では、芸術のとらえ方が全く違うことを実感しました。私は自分が触れたものを、自分の言葉でしか語れない。手の届く範囲で画家の習作や下絵なんかを手に入れ、部屋に飾って愛(め)でている。玄関にある絵は古書店で見つけた里見勝蔵の小品です」

 ――現代社会は頭でっかちで、多くの人は実物を見ず、ネットを通じてより多くを知っていることが偉いと錯覚している。

 「無理して多くを知らずとも、一つの本物にじっくりと向き合えば、おのずとそこから広い世界に通じます。例えば京菓子。うちはご近所の『末富』さん。ここの味や色や季節感が自分の基準。自分の軸をもっていれば、他の菓子を食べた時、末富さんより甘いとか軟らかいとか、比較できる。今流行の食べ歩きをしなくても、自信を持って自分の意見を発言できます」

 「20代のころタンスにあった大正生まれの伯母の形見の着物を見つけ、大胆なデザインに衝撃を受けました。いつの時代のどんな種類の着物かも知らなかった。これは面白い、と自分の感覚だけを頼りに買い足していったら、いつの間にか600点。アンティーク着物コレクターと呼ばれるようになりました」

 ――そんな通崎さんの美意識の源はなんですか。

 「ちょうど100年前、曽祖父…

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