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(18日、平昌五輪スピードスケート女子500)

 30歳の遅咲きのスケーターが、初めての五輪で8位入賞を果たした。スピードスケート女子500メートル。郷亜里砂(イヨテツク)は地元の大声援を受ける李相花(イサンファ)(韓)と同組で滑り、「スタートしてからは無心で、何も考えられなかった。あっという間の500メートルでした」。37秒67。挑んだメダルには0秒33届かなかった。

 3歳で始めた競技歴は27年。道のりは平坦(へいたん)ではなかった。「続けても成績が出るのかどうか」。幾度も迷った。

 歯舞群島を眺める北海道別海町出身。ホテルを営む自宅の前がスケートリンクで幼い頃から断トツで速かった。ただ、小学4年の時、大会で負けた。レース後、父季良さんは駐車場で毛布にくるまって泣く娘を見た時に確信した。

 「この子は強くなる」

 北海道・白樺学園高を経て山梨学院大へ。国内上位に名を連ねていたが、卒業後に実業団からの誘いはなかった。スケートを続けられる環境を求めて国体の強化選手として山口へ。その後も北海道、愛媛へと所属先を転々とした。

 「もうやめようか」。心が折れそうな時、何度も思い返したのが大学の恩師・川上隆史監督の言葉だ。「もう少し頑張ったら五輪に行けるぞ」

 4年前からナショナルチーム入りして技術を磨き、今季ワールドカップで4度表彰台に立った。この日は届かなかったが、「たくさんの方に応援してもらったので、この大舞台で滑っているところを見てもらえて良かった」。涙をぬぐって胸を張った。(榊原一生)