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 取材しようとした新聞記者に「殺すぞ」と暴言を吐いた兵庫県西宮市の今村岳司市長(45)が19日、市職員を通じて田中正剛議長に退任願を出した。20日の市議会本会議で辞職が同意される見通し。

 市秘書課によると、今村市長はこの日午前、「議会に渡して」と職員に封筒を託し、庁舎を後にした。議会事務局を通じて受け取った田中議長によると、中には退任願が入っており、「一身上の理由により2月20日をもって、市長の職を退任したく願い出ます」と記されていたという。

 今村市長は今年1月4日の仕事始め式で、4月の市長選に立候補せず、5月に退任する意向を表明。式後、取材で駆け寄った読売新聞の記者に「殺すぞ」などと暴言を吐いた。この問題を受け、市議会は今月6日の議会運営委員会で、市長の退職金を減らす議案を議員提案することで合意。13日の議運委で退職金を3割減額する条例案が示されていた。

 市議会関係者らによると、今村市長は条例案に不快感を示していたという。

 市によると、条例案が市議会で成立した場合、市長が5月まで働いた時の退職金は約1980万円。2月中に辞職すると退職金は約2710万円という。

 副市長2人は19日午後に会見し、5月の任期満了前に辞職する理由について「本人ではないので分かりかねる」などと話した。掛田(かけだ)紀夫副市長は「市長に『説明してほしい』と伝えたが、『会見しない』と言われた」と語った。

 今村市長は京大卒業後、リクルート社員を経て、1999年から西宮市議を4期15年務めた。2014年4月の市長選で自民、公明、民主(当時)の3党が相乗りで推薦した現職を破り、初当選した。(吉沢英将、宮武努)