拡大する写真・図版 難民キャンプは起伏の多い土地を覆うように広がっている=11日、コックスバザール郊外、染田屋竜太撮影

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 乾いた地面がむき出しになった丘にまで仮設住居がびっしりと並ぶ。バングラデシュ南東部コックスバザール郊外。隣国ミャンマーから逃れてきたイスラム教徒ロヒンギャの難民キャンプが広がる。

 「サイクロンが怖い。みんな流されてしまうのではないか」。急な斜面にへばりつくように立つ住居に暮らすカラ・ミアさん(85)はうつむきながら話した。

 バングラデシュは例年4~6月にサイクロンに見舞われる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などは、キャンプ全体の3分の1が水害に遭い、少なくとも10万人が土砂崩れや洪水による「重大な危険」に陥る可能性があると今月発表した。

 ミアさんは「故郷を追われ、今の家にも住めなくなったらどうすればいいのか」と訴える。昨年8月に難民の流出が始まってから半年。国際移住機関(IOM)によると、ミャンマーに暮らすロヒンギャの7割に当たる約69万5千人が難民になった。

ミャンマー側、帰還への反発も

 バングラデシュ南東部コックスバザールから車で約1時間。今月10日、ミャンマーとの国境をなすナフ川近くに、ロヒンギャ難民が帰還前に一時滞在するキャンプ予定地を訪ねた。草原が広がり、難民用の施設は見当たらない。警備の警察官は「工事が始まるとは聞いていない」と話した。

 両国政府は1月23日に難民帰還の開始を予定していた。2月中旬、約8千人分の最初の帰還者リストがバングラデシュ政府からミャンマー側に渡ったが、現場の準備は整っていない。

 コックスバザールで取材に応じたバングラデシュ政府の実務責任者モハマド・カラム氏は準備不足を認めた。一方で、「難民が自発的に帰れる準備をしていないのはミャンマー側だ」と主張。「サイクロンで難民に被害が出たら責任を問われる。我々に帰還を遅らせる理由はない」と訴えた。

 バングラデシュ側が問題視する…

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