[PR]

 故ダイアナ元妃の衣装を長年担当した世界的デザイナーのポール・コステロさん(72)がデザインし、岩手県釜石市の特殊な金属を使った指輪が、ロンドンのファッションショーで披露された。東日本大震災で被災した釜石を訪れ、力になりたいというコステロさんは「指輪を身につけ、釜石の勇敢な人々に思いをはせてほしい」と話す。

 2月19日のショーでは、かっちりしたジャケットやボリュームのあるドレスを着たモデルたちが指輪をはめ、ポーズをとった。

 コステロさんはアイルランド出身で、指輪は「クラダリング」という同国の伝統的な指輪がモチーフ。両手で囲んだハートに王冠を配し、友情や愛、忠誠を表現している。波の文様も加え、「津波を乗り越えて東北とアイルランドを愛と友情で結ぼう」とのメッセージを込めた。

 素材はコバリオンという合金で岩手県や釜石市が東北大・岩手大と開発、同市の企業「エイワ」が製造している。傷が付きにくくプラチナと同等の輝きをもち、金属アレルギーを起こしにくいことなどが特長だ。

 指輪は世界展開をめざすエイワがコステロさんに持ちかけた。昨年3月に釜石を訪れたコステロさんは、北アイルランド紛争で多くの犠牲者を出した故郷の悲劇と重ね「人々が前に進む力になりたい。まだ悲しみがそこにあることを皆さんに忘れないでほしい」。

 指輪は6万8千円から(税込み)。収益の一部は被災地の産業復興支援に寄付される。(ロンドン=下司佳代子)