[PR]

 東日本大震災で被災し、国のグループ補助金を利用した企業のうち、売り上げが「回復」した企業の割合がこの3年、45%にとどまっていることが経済産業省の調査で分かった。復興特需も勢いが弱まり、税金による経済再建の効果が薄らいでいる。

 被災した会社や商店を救済するため、国は2011年度にグループ補助金制度を新設。利用企業に毎年アンケートを実施している。17年6月の調査(回答率6割強)では岩手、宮城、福島、青森の4県で、売り上げが震災前と「変化なし」(同水準)と答えた企業の割合は14%、「震災前より増加」が31%。経産省はこの二つを足した数字を「売り上げ回復」としており、17年は45%だった。回復の割合は15年の45%まで上昇していたが、それ以降は横ばいの状態だ。

 業種別では、運送業の回復が順調で昨年は57%。一方、復興特需に支えられた旅館・ホテル業と卸小売り・サービス業の回復割合はそれぞれ15、16年をピークに減少に転じ、昨年はいずれも30%台と低迷した。大型公共工事が続いた建設業は75%と高いが、15年から2年続けて微減だった。

 回復が頭打ちになる背景には、震災後、急増した公共工事や被災地の宿泊者数がピークを過ぎたことなどがある。岩手、宮城、福島の3県の建設工事受注高は13年、前年比で63%増加したが、15年以降はほぼ横ばい。旅館や飲食店ににぎわいをもたらした工事関係者も減り、3県の宿泊者数は16、17年と2年連続で前年割れした。

 経済復興のため、国は中核となるグループ補助金制度も含め、これまで計約4兆円を投入している。(編集委員・大月規義

〈グループ補助金〉 東日本大震災で被災した会社や工場、商店などの復旧のために始まった制度。75%を国と県、残りを事業者が負担する。民間資産の単純な回復に税金は使えないため、国は複数の事業者に組合(グループ)をつくらせ、補助金を出した。8道県で延べ1万1400社が利用、投入した国費は3360億円。18年度予算案でも150億円が計上されている。この制度は熊本地震でも適用された。