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 今月18日に全国で行われた看護師国家試験で、経済連携協定(EPA)で来日したイスラム教徒の女性受験者に対し、監督員が頭部を覆うスカーフを不正行為防止のためとしてめくり上げるなどしていたことが分かった。厚生労働省は今回初めて試験運営を民間会社に委託しており、「不適切な対応だった」として23日、この会社に謝罪文を約400人の受験者全員に送るよう指示した。

 厚労省によると、こうした行為は少なくとも愛知、香川県内の2会場であった。EPAの受験生が集められた教室で、試験開始前に監督員がインドネシア人らイスラム教の女性に対し、着用しているスカーフをめくり上げたり、首元をのぞき込んだりしたという。イスラムの教義で女性教徒は親族以外の異性に顔や手先以外を見せないようスカーフを着用している。

 試験運営を委託したのは東京都内の運営会社で、取材に対し、担当者は「マスクやひざかけなどを使う場合と同様に対応した」と説明した。だが、この事態を知った厚労省は「宗教上の配慮を欠いた不適切な対応で試験前に不快な思いをさせた」と判断した。

 日本は2008年からEPAに基づいて看護師と介護福祉士候補者の受け入れを始め、現在インドネシアなど3カ国から受け入れている。看護は3年、介護は4年の滞在期間中に日本の国家試験合格を目指す。合格すると日本で働き続けられる。(松川希実)