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飛驒パイン(税別110円)

 飛驒高山で50年以上、地元民に愛され続ける「飛驒パイン」。雪深い飛驒と南国のパイナップルという、意外な組み合わせの個性派ご当地乳飲料ですが、飛驒は冷涼な気候と豊かな自然に恵まれているため、美味(おい)しい牛乳の産地。甘酸っぱさとコクのある牛乳がよく合います。

 発売は1965年ごろ。都市では大手メーカーの「フルーツ牛乳」が子どもの風呂上がりのお楽しみとなった時代。当時の飛驒地方は物流手段に乏しかったため大手との競合もなく、組合で開発された先発の「飛驒オレンジ」に続き誕生した「飛驒パイン」が深く浸透しました。

 この支持には歴史があります。敗戦後、飼料不足で組合の牛乳生産を中止せざるを得ない窮地を救ったのは、牛の餌になる麦や米ぬかを提供した消費者である地元の人々の絆でした。

 さて、今回の採取地(ファミリーストアさとう三福寺店)は、組合の前身、盛乳舎が1882年に創業した地であることがわかっています。社長も従業員も総出で雪かきをして開店準備をする「さとう」。いずれのエピソードも、厳しい自然環境を乗り切る飛驒特有の“助け合い精神”なくして語れません。

採取地

ファミリーストアさとう三福寺店

(岐阜・高山)

0577・33・3322

デジタル余話

 最初は、ご当地感に欠けると思っていた「飛驒パイン」。それを覆したのは、テレビのロケでうかがったときに聞いた、「飛驒パイン」を大量に買い込むご夫婦の回答でした。「沖縄に住んでいる娘に飛驒の味を届けてあげたくて」。パイナップルの産地に飛驒パインを送るパラドックスに、親の愛とご当地食の計り知れない可能性を見ました。以来、個人的には、高山のウェルカムドリンクと位置づけています。

     ◇

 菅原佳己(すがわらよしみ) スーパーマーケット研究家。著書に「日本全国ご当地スーパー掘り出しの逸品」など。

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