[PR]

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は25日夕、平昌冬季五輪の閉会式に合わせて韓国入りした北朝鮮の金英哲(キムヨンチョル)朝鮮労働党副委員長と、五輪開催地の平昌で会談した。韓国大統領府が発表した。北朝鮮側は「米朝対話を行う十分な用意がある」との考えを表明。双方は、南北関係と米朝関係が共に発展すべきだとの考えで一致した。

 文氏は、北朝鮮の代表団派遣によって「平昌五輪が平和五輪になった」と高く評価した。同時に「南北関係が今後、広範囲に発展すべきだ」と強調。「南北関係の改善と朝鮮半島問題の本質的な解決のために、米朝対話が早期に開かれるべきだ」と主張した。

 文氏は今月10日、正恩氏の実妹、金与正(キムヨジョン)氏らとの会談で、南北首脳会談について「条件を整えて実現させよう」と回答。野党などが反発していた。関係国は、文氏が北朝鮮に対し、どこまで非核化を迫るか注目していた。

 金英哲氏も、金正恩(キムジョンウン)党委員長も同じ考えだと伝えたという。金英哲氏は、南北関係を統括する党統一戦線部長を務める。正恩氏が提案した南北首脳会談開催に向け、韓国特使や高位代表団の訪朝などについて韓国側の反応を探った模様だ。 金英哲氏を団長とする北朝鮮の高位級代表団は25日午前、陸路で韓国入りした。ただ同氏は、2010年に起きた哨戒艦沈没事件や大延坪島(テヨンピョンド)砲撃事件を主導したとされ、最大野党の自由韓国党などは強く批判。軍事境界線に近い道路の一部を前夜から占拠し、反対運動を展開した。

 韓国大統領府は事前に会談の日程を明らかにせず、会談場所も大統領府のあるソウルではなかった。世論に配慮したとみられる。(ソウル=牧野愛博)