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 東京電力福島第一原発事故から7年になるのを前に、朝日新聞社と福島放送は、福島県民を対象に世論調査(電話)をした。事故による放射性物質が自身や家族に与える影響への不安について聞くと、「大いに」21%、「ある程度」45%を合わせて66%が「感じている」と答えた。

 調査は2月24、25日に実施した。事故の半年後、1年後、2年後と行っており、今回が8回目。

 放射性物質への不安を「感じていない」との回答は「あまり」「全く」を合わせて33%だった。「感じている」は減少傾向にあったが、昨年の63%から今回は66%に少し増えた。

 復興への道筋は「大いに」3%、「ある程度」42%を合わせて半数近くが「ついた」と答えた。「ついていない」は、「あまり」「全く」合わせて52%だった。

 一方、福島県全体で、元のような暮らしができるのは、どのくらい先かを聞くと、「20年より先」が54%と最も多く、「20年ぐらい」19%、「10年ぐらい」16%、「5年ぐらい」4%。復興への道筋が「ついた」層でも、47%が「20年より先」と答えた。年代別では40代が特に悲観的で、67%が「20年より先」だった。

 原発再稼働への賛否は、賛成11%、反対75%だった。2月の全国調査では賛成27%、反対61%で、福島の方が反対が多かった。原発事故が「風化しつつある」と思う人は78%にのぼり、「そうは思わない」18%を大きく上回った。

処理水を薄めて海に流すことに「反対」67%

 福島第一原発の構内には、放射性物質を含んだ処理水をためたタンクが増え続けている。今回の福島県民への世論調査で、処理水を薄めて海に流すことへの賛否を聞くと、反対が67%で、賛成19%を上回った。

 処理水に含まれる放射性物質トリチウムは除去が難しく、原子力規制委員会も海洋放出を勧めている。放出で海が汚染される不安は、「大いに」「ある程度」を合わせて87%が「感じる」。風評被害に対する不安は、52%が「大いに感じる」と答え、「ある程度」と合わせると91%が「感じる」と答えた。

 一方、事故に対するこれまでの東京電力の対応には「評価しない」が64%で、「評価する」17%だった。

 福島県が、すべての県産米の放射性物質を調べる検査を見直し、サンプル(抽出)検査に切り替えることには、賛成49%、反対44%で賛成がやや多かった。ただ、2月の全国調査で同じ質問をした際の賛成54%、反対35%と比べると、切り替えに慎重な姿勢を示した。

 全量全袋検査が消費者の安心に「つながっている」と思う人は「大いに」と「ある程度」合わせて計86%に達し、全量全袋検査に対する県民の評価がうかがえる。

 2020年東京オリンピック・パラリンピックへの期待も聞いた。政府が「復興五輪」と位置づけたことが、被災地復興に「役に立つ」との回答は「大いに」「ある程度」合わせて43%にとどまった。「役に立たない」は、「あまり」と「全く」合わせて57%だった。

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 調査方法 2月24、25の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、福島県内の有権者を対象に調査した(一部地域を除く)。有権者がいる世帯と判明した番号は1888件、有効回答は1004人。回答率は53%。

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