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 チョウの一種「コヒョウモンモドキ」はここ30年間で、草地の減少とともに個体数が激減した――。東京大や京都大などのチームが26日、そんな研究結果を発表した。過去の昆虫の個体数は不明なことが多いが、30年以上前に採取された標本のDNAが分析に役立ったという。

 コヒョウモンモドキは、関東から中部地方の高原の草地に生息。環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。

 東京大の中浜直之・日本学術振興会特別研究員らのチームは、信州昆虫資料館(長野県)や伊丹市昆虫館(兵庫県)などに保存されている標本のうち、1985年に採取されたものの脚からDNAを抽出。2015年に標本と同じ場所でチョウを捕まえ、羽のごく一部だけを切り取って放し、DNAを比較した。

 長野県内などの採取地ごとに、複数の個体のDNAがどれくらい近縁かを調べる手法を使って個体数の目安を算出。85年に比べ、15年は個体数が減少傾向にあった。各地点の航空写真から計算した草地面積や気温の変化などとの関係をみると、個体数が減ったのは草地面積の減少が大きく影響したことが統計解析でわかった。

 中浜さんは「標本は形態や分布の情報として利用されてきたが、遺伝情報としても利用ができることを示せた」と話している。(合田禄)