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相談者

 40代の既婚女性、会社員です。子供はいません。

 主人はやさしく、職場での人間関係も恵まれています。経済的に裕福ではありませんが、日々の生活に困ることはありません。体も健康です。要は幸せと、頭ではわかっているのですが、空虚なのです。

 母をみとり、死を身近に感じるようになりました。人生も中盤にさしかかり、残された日々を懸命に生きようと思うのですが、子宝にも恵まれず、これといった趣味もなく、ただ漫然と過ごす日々にどうしようもないいら立ちを感じてしまいます。

 若い頃の夢だった文筆業に再度挑戦しようと脚本や小説のコンクールに応募しましたが、ある程度の段階まで審査は通過するものの、受賞には至りません。年齢制限があるものもあり、焦りや、これまで努力してこなかったことへの後悔で、自分はもう価値のない人間だとまで思いつめてしまうこともしばしばです。

 これまで怠惰に過ごしてきたわけではありません。お金に苦労してきたことを考えれば、今の生活は本当に恵まれています。主人にも、友人にも感謝しています。でも今後の人生に希望を見いだせず、もう死んでもいいや、と思ってしまう自分が嫌なのです。

 こんな甘ったれた考えを捨てられない私を、どうか叱って下さい。

回答者 経済学者・金子勝さん

 この回答が私の最終回となります。これまで相談者の悩みにブックガイドの形で答えてきました。本はいろいろなことを教えてくれますが、答えが一つではないことが私を悩ませてきました。

 今回は「見果てぬ夢」の相談です。人生を測る物差しはどこにもありません。たとえ貧しく病気を抱えていても、幸せな人はいます。逆に、経済的にも健康面でも恵まれているのに、苦しんでいる人がいます。あなたも人生半ばにさしかかって、本気で取り組める何かを見いだせないままむなしさを感じています。

 しかし答えは往々にして、相談…

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