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 iPS細胞を変化させた細胞を治療用製品として生産する大日本住友製薬の施設が1日、大阪府吹田市に完成した。同社によると、iPS細胞を使う再生医療製品の商業用の製造拠点は世界で初めて。まずは治験向けの細胞などを生産していく。

 施設は鉄骨2階建てで延べ床面積3千平方メートル弱。生産する細胞の種類ごとに三つのゾーンに分け、微粒子の混入を防ぎながら人が作業できる設備や自動培養装置を備える。

 京都大学iPS細胞研究所(CiRA)などから供給されるiPS細胞をこの施設に運び、細胞を増やしたり、網膜の細胞など目的の細胞に変化させたりして、治療に使える製品として出荷する。各ゾーンでそれぞれ年間数百人を治療できる量の細胞を生産できるという。

 同社は、理化学研究所やCiRA、慶応大学などと連携し、「加齢黄斑変性」や「網膜色素変性」といった目の病気、パーキンソン病、脊髄(せきずい)損傷をiPS細胞を使って治療する製品の開発を進めている。再生医療を事業の次の柱の一つにしたい考えで、2030年にこの分野で2千億円の売上高をめざしている。

 多田正世社長は「医薬品の業界では一番手が圧倒的に優位にたてる。再生医療の分野でしかるべきポジションを占めていきたい」と語った。

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(合田禄、新田哲史)