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 1960年公開の「紺碧(こんぺき)の空遠く 予科練物語」は、様々な物議をかもした映画だった。

 製作時、安保闘争のさなかに海軍予科練を取り上げることが「戦争美化」だという批判が起きた。また、撮影協力した防衛庁が公開直前に「自衛隊に批判的」「協力意図と違う」と言いだし、井上和男監督(故人)に知らされないまま、ラストの約5分が「自発的」にカットされた。「不当な圧力」だと新聞などで報じられ、国会でも「検閲制度の復活と間違われるような態度」と問題視された。

 戦中派の思いを込めた戦争映画を撮ったつもりの井上監督の元に、思いがけない電話がかかってきたのは公開から約半世紀後の2008年2月だ。テレビディレクターが、映画の一場面を放送したいと申し込んできた。

 作品の終盤、終戦を知りながら出撃する青年・山川が、思いを寄せる少女との別れに、予科練の詰め襟の制服から胸の金ボタンをちぎって渡す場面がある。身だしなみに厳しい軍隊で実際にボタンをちぎることがあるとは考えにくく、映画の描写が、中高生が卒業時に制服の第二ボタンを介して思いを伝える風習のきっかけになったのではないか、というのだ。

 監督は使用を許可をしたものの…

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