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 子どもたちへのがん教育に取り組む東京女子医大の林和彦医師(56)が1日、岡山県総社市南溝手の市立総社東小学校で出前授業を開いた。国民の2人に1人がかかるとされ、日本人の死因のトップとされるがんだが、「早く見つけてやっつけてしまえば、怖くない」。そんな専門家の言葉に、6年生約40人が熱心に耳を傾けた。

 林さんは同大のがんセンター長で、化学療法・緩和ケア科の教授。中学生のときに歯科医の父を胃がんで亡くし、医師を志した。「亡くなる1週間前に知らされた。知っていたら、父のために何かができたかも」。そんな過去から子どもたちには、がんと患者に対しての理解を深めてほしいと全国を回っている。

 林さんはまず、1年間に全国で100万人ががんになり、37万人が亡くなっていると説明。喫煙が第一の要因として挙げ、「絶対に吸わないこと。吸っている人がいたら『私の近くで吸わないで』と言う勇気を持って」。がん検診の受診率が欧米に比べて低いことも紹介。「家の人たちに『私が大切なら必ず受診して』と伝えて」と呼びかけた。

 大切な人ががんになったら――。林さんの問いかけに、子どもたちは数グループに分かれて討論。「気持ちを理解して、普段の生活ができるようサポートする」「早く病院に連れて行く。共感する」「元気になれる言葉をかける」……。こんな子どもたちの答えに対し林さんは「がん診療を33年間続けているが、家族のサポートにはかなわない。みんなには家族を守れる優しさがある」と期待した。

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(小沢邦男)