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 とんこつラーメンチェーン「一蘭(いちらん)」で法定時間を超えて留学生を働かせたなどとして、運営会社(本社・福岡市)の社長らが出入国管理法違反(不法就労助長)の疑いで書類送検された事件。同種の事件は他にも相次いでいる。その背景は――。

 国内でアルバイトとして働く留学生の数は右肩上がりだ。厚生労働省によると昨年10月末時点で、国内で働く留学生は約26万人にのぼり、3年間で倍増した。

 一方、昨年1~6月、約4600人の外国人が不法に就労したとして退去強制処分を受けている。

 外国人の労働問題に詳しい関西学院大の井口泰教授(労働経済学)は「大都市圏の人手不足と、日本語学校の集中が結びついた問題」と指摘する。

 井口教授によると08年に政府が公表した「留学生30万人計画」などを背景に、大都市圏で東南アジアからの留学生をターゲットにした日本語学校が急増。その多くは渡航費などの借金を抱えて来日しており、就労を前提とした留学が多いという。「日本で1日働けば現地での数カ月分の給料を稼げると言われて来ても、実際には授業料や生活費で手元に残らないのが現状だ」と指摘する。

 少しでも多く働いて借金を返したい留学生と、人手不足に悩む大都市圏のサービス業との利害が一致した出入国管理法違反事件は相次いでいる。17年には関西を拠点とする大手スーパーや串カツチェーン店などが罰金30万~100万円の判決を受けた。

 こうした事件では、会社側だけでなく、留学生も逮捕や書類送検されている。井口教授は「本人へのダメージも大きい。留学生は借金を前提とした教育ビジネスに巻き込まれることもある。こうした留学制度については根本から見直さないといけない」と話す。(多鹿ちなみ)