人間国宝の青磁作家で陶芸界の中心的存在だった中島宏(なかしま・ひろし)さんが7日、亡くなった。76歳だった。

 1941年、佐賀県武雄市生まれ。ほぼ独学で作陶を習得。造形の力強さと深い青や緑が生み出す独特の味わいは「中島ブルー」とも呼ばれ、古代中国の青銅器のような強烈な存在感で他の追随を許さなかった。日本伝統工芸展などで受賞を重ね、2007年に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。

 研究熱心なことでも知られ、85年には青磁の故郷、中国浙江省の龍泉窯の古窯を踏査。近世に武雄地方で焼かれた「古武雄」の顕彰にも努め、こつこつと集めた膨大な作品群は一大コレクションになった。

 後進の育成にも積極的で、日本工芸会副理事長や陶芸部会長など要職を歴任し、日本伝統工芸展の鑑査・審査でも活躍。客観性を求めて審査方法の改革を進めるなど工芸界全体のボトムアップに厳しい態度で臨んだ。九州においても同会西部支部幹事長などを務め、一線を退いたのちも九州陶芸界のご意見番であり続けた。