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 日本銀行の副総裁候補となっている若田部昌澄(まさずみ)・早稲田大教授が7日、参院議院運営委員会での所信聴取で、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化について「急ぐ必要はない」と述べた。前日に「財政健全化していくことは重要だ」と語った黒田東彦(はるひこ)総裁とは対照的だ。

 若田部氏は緩和に積極的なリフレ派の論客で、以前は緩和強化や財政拡大を検討すべきだと唱えていた。

 7日の所信聴取では「学者としての意見」と前置きしつつ、「経済が再生しなくて財政が再建することはあり得ない」「経済が疲弊しているなかで増税しても税収を上げるのは難しい」などと持説を展開。「財政再建の達成には時間がかかる」とし、「幸い日本の長期金利は非常に低位で安定している」とも語った。

 日銀が大量の国債を買う緩和策には、国の借金を支える「事実上の財政ファイナンス」との批判も多い。

 黒田総裁は6日の参院所信聴取で「日銀の国債買い入れは、政府の資金調達を助けることは目的としていない」と述べ、財政ファイナンスとの見方を否定。国債価格の急落を防ぐため、「財政健全化をしっかりやって信用、信認を確保することが必要だ」と語った。

 一方、若田部氏は昨年9月の朝日新聞の取材で「物価上昇率が2%を超える時期が2年くらい続かないと『出口』の話にならない」と発言したことについて、この日は「本当に適切かは今後検討したい」と述べるにとどめた。(藤田知也)

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