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 大阪市の高校生2人が11日からの9日間、米サンフランシスコ市を訪れる。両市は60年間にわたって姉妹都市だったが、サンフランシスコが旧日本軍の慰安婦像を市有化したことに大阪市が反発し、昨年末に関係解消の方針を決めた。積み重ねた友好関係の継続を願う両市の交流団体が、高校生の訪問を企画した。

 8日夜、大阪市阿倍野区の市民団体「SOYNET(ソイネット)」のメンバーの自宅で、高校生2人を囲んで壮行会が開かれた。いずれも大阪府立阿倍野高校2年の作田貫太君(17)と永本雅也君(17)。作田君は「異文化を肌で感じて、大阪に持ち帰りたい」と抱負を語った。現地の高校生宅にホームステイし、一緒に1週間、高校にも通う。

 手配してくれたのはサンフランシスコ側の姉妹都市協会だ。今年初め、SOYNETの久保井亮一会長(72)のもとへ、サンフランシスコの姉妹都市協会からメールが届いた。「協会全員で相談して、今後も学生の交流を続けたいと決めました。また学生を送り込んでいただけますか?」

 大阪市は1957年にサンフランシスコと姉妹都市になり、73年から2012年まで学生派遣を支援してきた。橋下徹前市長による補助金廃止の影響でいったん途絶えたが、SOYNETが昨年夏、市の補助金を得て大学生2人の派遣を復活させた。だが、吉村洋文市長は昨年末、姉妹都市解消の方針を決め、サンフランシスコとの交流事業への補助金も廃止した。

 SOYNETは今後の活動方針を話し合い、「こんな時こそ強く根を張り、草の根活動を続けよう」と決めた。補助金を断たれたため、「交通費(約15万円)は自己負担」を条件に希望者を募った。「姉妹都市関係に亀裂の入った状況で、不安を感じる保護者も多いのでは」と久保井会長は心配したが、高校生2人が手を挙げた。滞在費はサンフランシスコ側が負担する。

 2人とも昨年夏にサンフランシスコから大阪を訪れた高校生との交流行事に参加し、興味を持った。永本君は「政治家同士の関係とは別に、人と人との関係が60年続いてきた。自分たちを通して次の世代にもつなげたい」と話している。(半田尚子、左古将規