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 内閣府の研究支援制度「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)の研究で昨年、科学的データが不十分なまま「カカオ成分の多いチョコレートを食べると脳が若返る可能性がある」と発表したことについて、内閣府の有識者会議は8日、「実験の条件設定が十分でないものを発表するのは適切でなかった」とする報告書をまとめた。

 この研究は、京都大や民間企業で脳科学を研究してきた山川義徳氏が様々な脳科学研究を統括する「プログラムマネジャー」(PM)を務め、その一つとして、カカオ成分の多いチョコレートを食べると大脳皮質の量が増えるかを調べていた。しかし、食べなかった人とは比較せずに共同研究先の製菓大手の明治が「学習機能を高める(脳の若返りの)可能性がある」と発表していた。

 報告書では、本格的な研究の前段階の予備実験を一般向けに発表したことに問題があると指摘。さらに「脳の若返り」という言葉がひとり歩きしたことに山川PMの責任があるとした。一方、データを積み重ねれば、脳の健康管理の指標にはなり得るとし、内閣府は研究継続を決めた。

 山川PMは「多くの人に伝える時は、もっと信頼性の高いデータを提供すべきだった。今後、わかりやすく誤解のない情報提供を心がけたい」と話し、来年度からは追加実験をして効果を検証すると発表した。(杉本崇

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