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 仮想通貨交換業者「コインチェック」(東京)で顧客資産の仮想通貨NEM(ネム)約580億円分が不正流出した問題をめぐり、同社は8日、不審なメールを開いた複数の社員のパソコンがウイルスに感染したことが原因と想定されるとの調査結果を明らかにした。

 会見した同社の大塚雄介取締役によると、何者かがウイルスに感染した社員のパソコンを遠隔操作し、同社のネットワークに侵入。NEMを管理する社内のサーバーに保存されていた「秘密鍵」を盗み取ったと想定されるという。秘密鍵はNEMの取引に使うパスワードで、1月26日未明に起きた約580億円分の不正送金に悪用されたとみている。

 不審なメールは不特定多数に宛てた迷惑メールのようなものではなく、コインチェック社に宛てたものだったといい、同社を狙った標的型サイバー攻撃の可能性がある。メールの文面や届いた日時について大塚氏は「捜査に関わることなので言えない」と明言を避けた。

 仮想通貨交換所のハッキング被害は世界で頻発しており、昨年12月には、韓国の交換所が総資産の17%相当を盗まれたとして破産を申請すると発表。この被害について、韓国政府は北朝鮮によるサイバー攻撃との見方を強める。仮想通貨が昨年から急激に高騰し、サイバー犯罪者らの格好の標的となっているとみられる。(編集委員・須藤龍也)