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 八郎潟や八郎湖について、研究者や住民がともに考える「八郎潟・八郎湖学研究会」の設立記念集会が10日、八郎潟町で開かれた。同町や大潟村、潟上市などの周辺自治体の住民や、研究者ら約50人が参加し、それぞれの思いや今後の研究課題について語り合った。

 八郎潟は、1957年に始まる干拓事業で大部分が陸地化された。残された八郎湖は水質悪化に悩み、県や市民団体が10年以上にわたって水質改善に取り組むが、改善の見通しは立たない。集会で記念講演をした発起人の谷口吉光・県立大教授は「水質改善を待つ間に、八郎潟を知る人がいなくなっては意味がない」と指摘。「『八郎潟はなくなった』と思う人も多いが、八郎湖という名前で今も存在する。潟への思いを、過去から未来に受け継ぎたい」と呼びかけた。

 集会の後半は、参加者が六つのテーブルに分かれ、八郎潟や八郎湖への思いを話した。「のぞくとワカサギがきらきら光っていた」「遠浅の湖で泳いだ」「冬になると凍り、湖の上を歩いて男鹿に渡れた」など、干拓前のいきいきとした思い出が語られた。

 研究会は、社会学、水産学、文学など様々な専門の研究者らにより6日、設立された。住民も巻きこみ、現地セミナーや出前講座の開催、書籍出版などの活動を予定している。谷口教授は、「潟への思いを『懐かしい』で終わらせず、現代にどうつなぐかが課題だ。開発は成果と問題が残るもの。干拓事業の再検証に取り組みたい」と言う。(石川春菜)