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 学校法人・森友学園との国有地取引に関する決裁文書の書き換え疑惑で、財務省が12日、国会議員に開示した決裁文書とは別の決裁文書が複数存在することを認めました。政権や政党、国会の動きをタイムラインで追いました。

野党、国会審議に応じない方針

 午後6時37分、麻生太郎財務相が財務省から退庁した。廊下などでの記者団の問いかけには終始無言だった。安倍晋三首相も同43分に首相官邸を出て、徒歩で隣接する首相公邸に入り、政権大揺れの一日の執務を終えた。

 同じ頃、官邸・公邸と道路を挟んだ反対側の歩道では、野党や市民が集まり抗議デモを開催。「安倍はー、辞めろ。麻生も、辞めろ」。リズムに乗せてコールが響いている。首相の耳にはどう届いただろうか。

     ◇

 立憲民主、希望など野党6党は「事態を打開する責任はすべて政府与党にある」(共産・小池晃書記局長)として、13日からの国会審議に全面的に応じない方針。安倍政権を取り巻く状況は一気に緊迫の度を増している。(山岸一生)

安倍首相「麻生氏には責任を果たしてもらいたい」続投の考え示す(16:56)

 午後4時56分、安倍晋三首相が首相官邸で記者団の取材に応じ、コメントを発した。

 「本日、財務省から文書を明らかにした。行政全体の信頼を揺るがしかねない事態であり、行政の長として責任を痛感している。国民の皆様に深くおわびを申し上げたい」と述べ、頭を下げた。

 首相は続けて、「国民の皆様から厳しい目が向けられていることを真摯(しんし)に受け止め、なぜこんなことが起きたのか、全容を解明するため調査を進めていく。麻生財務大臣にはその責任を果たしてもらいたい。その上で、全てが明らかになった段階で、二度とこうしたことが起きることのないように信頼の回復に向けて、組織を立て直していくために全力をあげて取り組んでもらいたいと考えています」。麻生太郎財務相を続投させる考えを示した。

希望・玉木氏「安倍首相、夫人、内閣全体の責任をとってもらわなければ」(16:46)

 「麻生(太郎・財務)大臣の辞任は不可欠だ」

 希望の党・玉木雄一郎代表が記者団に語った。書き換え問題を「歴史上の汚点と言って良い、深刻かつ重大な事態」と位置づけた上で、安倍晋三首相の責任についても指摘した。

 「昨年2月17日の(衆院予算委員会での)首相答弁。『私や妻が関わっていたら総理も議員も辞める』との答弁に合わせて、事実の方をねじ曲げ、文書の改ざんを行うきっかけになったのではないか。麻生大臣の責任は当然として、安倍首相、首相夫人、そして安倍内閣全体の責任をとってもらわなければならない」と述べた。

野党、書き換えは「首相答弁がきっかけでは」 財務省は否定(16:40)

 財務省は、決裁文書書き換えの開始時期を「昨年2月下旬」と説明した。この時期が意味することは何か。

 野党ヒアリングでは出席した議員から、2月17日の「私や妻が関係していたなら首相も国会議員も辞める」との安倍晋三首相の衆院予算委員会での答弁がきっかけだったのではないか、との指摘が出た。これに対し、財務省の富山一成理財局次長は「恐縮ですが、私、今の先生のご指摘があったようなことであったとは考えておりません」と全面否定した。

 2時間超に及んだヒアリングは、午後4時47分に終了した。

共産・辰巳氏「改ざんやるのは、誰かのメリットになるからだ」(16:00)

 野党6党のヒアリングで、共産党の辰巳孝太郎氏が「ここまで大規模な書き換え、改ざんをやるのは、誰かのメリットになるからだ。それは誰か」とただした。財務省の富山一成理財局次長は「その時(書き換え時)までの答弁と、その後想定される答弁が誤解を生じないようにすると考えていたのではないか」と説明した。

 これに対し、辰巳氏は「誤解を生じる答弁をしたなら、答弁を修正すれば良い。公文書を改ざんする話には、普通はならない。なぜメリットもないのに、ここまで大規模な改ざんが行われたのか。それに対する答えが全くない」と批判した。

 午後4時半を回り、ヒアリングは開始から2時間が経った。

公明・山口代表「行政の信頼を失う、誠に遺憾」(15:30)

 与党・公明党の山口那津男代表が記者団の取材に応じた。「(決裁文書改ざんは)行政の信頼を失うもので、誠に遺憾。財務省理財局の判断で、国会に明らかにするべきものをそうしなかったとすれば、立法府を軽視するものであって、断じて許されない」と、理財局を批判した。

 麻生太郎財務相や安倍晋三首相の政治責任についての質問については「理財局の独断と言うか、理財局がこうした書き換えを行っていたという説明だから、まずは麻生大臣が説明を尽くしていく、国会の議論に答えて頂くことが重要だ」と述べるにとどめた。

立憲・辻元氏「予想以上に深刻だ」(15:30)

 立憲民主党の辻元清美国会対策委員長が記者団の取材に応じた。「予想していた以上に事態は深刻だ」と切り出した。

 「変える前と後で、文書が別の物になっている。一部を消したとか抜いたという話ではない。ある意図に沿って、別の文書、報告に変えている。何のために、誰が、この隠蔽(いんぺい)、改ざんをやったのか明らかにならない限り、政治全体への信用を失っているので(国会)審議する環境にはない」

 これに先立つ野党の国会対策委員長の会談では、幹事長・書記局長会談を開いて今後の国会対応を話し合うことを決めた。

財務省局次長「(職員)本人が無意識にやったとか、そういう話ではない」 野党は失笑(15:10)

 立憲民主、希望など野党6党の合同ヒアリングが始まった。午後3時すぎ、財務省の富山一成理財局次長が書き換えについて報告するが、議員からは「『書き換え』でなく『改ざん』ではないか」と認識についての批判が相次ぐ。

 富山氏は「現時点で『書き換え』という単語を使っているが、その点は、今後の調査結果によっては、我々としても違うか正しいのかは考えたい」。議員が「意図的にやったことは間違いないですね」とたたみかけると、富山氏は「少なくとも、おっしゃっている意味は重々分かっている。(職員)本人が無意識にやったとか、そういう話ではない」と答弁すると、会場は議員の失笑に包まれた。

首相の様子は「泰然とした感じ」 面会した自民党議員(15:00)

 自民党の河井克行・総裁外交特別補佐が首相官邸を訪れ、安倍晋三首相と面会。帰り際、記者団の取材に応じた。首相とは国際情勢について語ったというが、財務省の文書書き換え問題は「(話題に)上らなかったですね」。首相の様子は「普段と変わらず、泰然と、泰然とした感じでした」と語った。

 午前中の尾身幸次・元科学技術担当相に続き、河井氏がこの日2人目の来客。国会や財務省の混乱と比べ、首相官邸の出入りは閑散としている。

麻生氏「最終責任者は理財局長である佐川」(14:15)

 書き換えは誰の指示、責任だったのか――。麻生太郎財務相に対し、記者団からこの点への質問が相次いだ。

 麻生氏は「書き換えの一番トップはその時の担当者で、そんな偉い所じゃないと思うが、最終的な決裁として佐川(宣寿・前国税庁長官)が理財局長だったから、その意味で理財局長となろうと思う」と述べ、佐川氏の責任になると指摘した。

 「佐川さんの判断で行ったか」との問いには「佐川の判断の前の段階だと思う」としつつ、「書き換えは当時の理財局の一部の職員によって行われたので、最終責任者が理財局長である佐川ということになると思う」と、辞任した佐川氏の責任を強調した。

麻生氏「佐川の答弁に合わせて書き換えた」 「忖度」は否定(14:10)

 麻生太郎財務相はぶら下がり取材で、書き換えの理由をこう説明した。「(昨年)2月下旬、佐川の答弁と決裁文書との間の齟齬(そご)があった、間違いがあった、そういう風に誤解を招くということで、佐川の答弁に合わせて書き換えたというのが事実だ」

 当時の佐川宣寿・財務省理財局長は国会で事前の価格交渉を否定するなどしていた。こうした答弁と整合性を取るために書き換えた、との説明だ。麻生氏はまた、書き換えの背景に政治家への「忖度(そんたく)」があったかとの質問には、「考えていません」と否定した。

自由・山本太郎氏「完全な『改ざん』」(14:10)

 参院予算委員会の理事懇談会で財務省の説明を受けた自由党・山本太郎共同代表。終了後、記者団に「(財務省が説明で使う)『書き換え』は間違いで、完全な『改ざん』。それ以上でも以下でもない。本当にあきれるような話ですけども」と憤った。

 山本氏が理事懇で、「財務省の(書き換えによる)メリットは何か」とただしたところ、財務省側からは「個人的な見解」と断った上で「書き換え前後の文章を見ても、財務省に何かメリットがあるとは思えない」との返答があったという。山本氏は政治家側の関与を追及する姿勢を強調した。

麻生氏「私の進退については考えていません」(14:05)

 麻生太郎財務相が午後2時5分、財務省内で記者団の取材に応じた。

 「昨年2月下旬から4月にかけて、本省理財局において、森友事案に関する14件の決裁文書の書き換えが行われていたことが明らかになった。決裁された行政文書について書き換えを行うことは、極めてゆゆしきことであって、まことに遺憾。私も深くおわびを申し上げる次第だ」と陳謝の言葉を述べた。

 今後については「捜査にも全面協力し、二度とこうした事態がおこらないよう、さらなる調査を進めて、その上で信頼回復に向けて努力したい」と述べた麻生氏。進退を問われると「私の進退については考えていません」と否定した。

財務省、与野党理事に書き換え問題を説明 参院予算委理事懇終わる(13:47)

 午後1時47分、参院予算委員会の理事懇談会が終わった。財務省から与野党の理事らに対し、文書書き換え問題について説明があった。ここまでの取材では、財務省側から「(書き換えが)なぜ行われたのか申し上げられることは、理財局のなかで行われた。恐らく国会答弁との関係で誤解を招きかねない表現、『先方からの要請』などの表現を削除したのではないかと思う」などの説明があったという。

麻生氏、まもなく記者団に説明へ

 財務省は、麻生太郎財務相が午後2時5分から省内で記者団の取材に応じると発表した。

財務省、野党含め国会に報告 参院予算委理事懇始まる(12:59)

 午後0時59分、参院予算委員会の与野党の理事らによる「理事懇談会」が始まった。財務省の文書書き換え問題について、野党も含めた国会全体に対し、財務省が報告する初めての場となる。

自民・二階幹事長が党本部入り 西村官房副長官・福田財務次官らが待機(12:02)

 午後0時2分、自民党本部に二階俊博幹事長が入った。党本部4階の幹事長室で待機していた西村康稔官房副長官、福田淳一財務事務次官らから、森友文書書き換え問題を巡る調査結果の説明を受けたと見られる。報告は10分ほどで終わった様子で、二階氏は0時14分、幹事長室を出た。

 他の自民、公明両党関係者に対しても、この日朝から財務省幹部が手分けして訪問し、説明が続々と進んでいる。

共産・小池氏「昭恵さんの名前削除、首相本人の責任に直結する極めて重大な事態」(11:45)

 午前11時45分、共産党の小池晃書記局長が記者団の取材に応じた。「安倍昭恵さんの名前も削除されていたと報道されている。まさに政権中枢、安倍(晋三)首相本人の責任に直結する、極めて重大な事態だ」とした上で、「内閣総辞職に値する問題にいよいよ発展してきている」と述べた。

 朝日新聞が国有地をめぐる取引の問題を報じたのは昨年2月。小池氏は、首相が昨年2月の国会で自身や昭恵氏が関与していれば退陣すると答弁したことに触れ、「この答弁をめぐって改ざんが行われたということがあれば符合する話になってくる」とし、首相答弁と書き換えとの関連をただす意向を示した。

首相夫人・昭恵氏の名前削除か 森友文書の書き換え疑惑

 学校法人・森友学園(大阪市)との国有地取引に関する決裁文書の書き換え疑惑で、安倍晋三首相の妻昭恵氏の名前が削除されていたことが、複数の政権幹部の話でわかった。

 一連の文書には、森友学園の籠池泰典・前理事長側の説明として、昭恵氏が森友学園で講演したという記述が含まれていたが、問題発覚後に削除されたという。

 野党側は昭恵氏の証人喚問も求めている。

麻生氏が財務省入り 「進退は」の問いかけに、無言(12:00)

 正午、麻生太郎財務相が財務省に入った。記者団から「大臣の責任を明確にするのか」「進退は」などの問いかけが飛んだが、麻生氏は無言だった。

首相、尾身幸次元科技相から「ご苦労ですね」(11:25)

 朝から緊張が走る首相官邸のエントランスに登場したのは、尾身幸次・元科学技術担当相だ。安倍晋三首相と会談後、記者団の取材に応じた尾身氏は、財務省の文書書き換え問題を巡って「いろいろご苦労ですね」と首相にねぎらいの言葉をかけたという。記者団は首相がどう返答したかを尋ねたが、尾身氏は「何も言わなかったよ。もっと世界のことを話してきた」と述べるにとどめた。

菅官房長官、麻生財務相の進退論を否定「麻生大臣に徹底した調査の指揮をとっていただくべきだ」(11:05)

 午前11時5分、菅義偉官房長官が首相官邸で午前の定例記者会見に臨む。「麻生太郎財務相の責任論についてどう考えるか」との問いに、菅氏は「麻生大臣においては今、財務省をあげて調査を行われているところであり、徹底した調査を行い、まずそうしたことはすべてはっきりすべく、指揮をとって頂くべきだ」と答えた。調査の指揮を優先させ、ただちに進退論にはつながらないとの見方を示した形だ。

麻生財務相の進退が焦点に

 財務省が森友文書の書き換えを認めたことで、麻生太郎財務相の進退問題が当面の焦点となる。野党は追及を強める構えだ。

 希望の党の玉木雄一郎代表は11日、記者団に「麻生氏自身の責任も問われる事態に当然なる。辞任を求めて行く動きにならざるをえない」。立憲民主党の長妻昭政調会長も「(書き換えを認めるとの報道が)事実だとしたら、政治責任は免れないのではないのか」と指摘している。

 麻生氏自身は、佐川宣寿・前国税庁長官の辞任を受けた9日の記者会見で、「私自身の進退については、今特に考えているわけではない」と述べている。

自公幹部「書き換えられているらしい」政府からの報告認める(10:28)

 「西村(康稔・官房)副長官から、書き換えられているらしいという報告があった」。12日午前10時30分前、公明党の大口善徳国会対策委員長が、国会内で記者団に語った。政府・与党が書き換えを初めて公に認めた。

 直後に、自民党の森山裕・国対委員長も「政府から、森友学園への国有地処分に関する決裁文書に、どうやら書き換えがあったようだとの報告を受けた」と記者団に語った。

 大口、森山両氏は午前9時45分ごろから、そろって西村氏から説明を受けた。約40分間の説明の後、取材に応じた。

立憲・福山氏「前代未聞の異常事態」(10:15)

 立憲民主党の福山哲郎幹事長が、国会内で記者団の取材に応じた。野党はまだ財務省からの報告を受けておらず、「改ざんされる前の元の文書が提出されるとすれば」とした上で「国会審議の信頼と前提を根本から覆す、前代未聞の異常事態」と断じた。

 「誰の指示で、いつ、なんのために改ざんされたのか明らかにすることは不可欠。財務省だけで判断することは絶対にない。官僚だけに責任を押しつけて済ますことはあってはならない。政府全体の責任は極めて重い。まずは、佐川(宣寿)元国税庁長官の証人喚問を求めたい」と述べた。

安倍首相、記者団の問いかけに答えず

 安倍晋三首相は12日午前9時過ぎ、首相官邸に入った。記者団の「財務省が書き換えを認めるとの報道について受け止めを」との問いかけには答えず、硬い表情で執務室に向かった。

 首相は2日に書き換え問題が発覚して以降、財務省に対応させる姿勢を強調してきた。5日、参院予算委員会で「私は全くこの話、あずかり知らないから答えようがない」と答弁。8日の同委で「できるだけ早期に説明できるよう、同省をあげて最大限努力をしてもらいたい。政府も誠意を持って対応する」と述べた。

 10日も記者団に「同省において来週早々に(調査)結果について示せるよう全力で取り組んでもらいたい。麻生(太郎)財務大臣をはじめ同省を挙げて取り組んでもらいたい」と対応を委ねた。

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 財務省の森友文書書き換え問題は、今月2日に朝日新聞が報じた。同省は同日、6日までに調査・報告すると国会に約束。だが6日の報告は「文書をただちに確認できない」などとする内容にとどまり、野党は「ゼロ回答」と反発。自民党の二階俊博幹事長も会見で「理解できない」と述べ、対応が後手に回る展開となった。

 同省は8日になって近畿財務局の決裁文書のコピーを開示したが、すでに国会議員に開示されていた物と同じで、疑惑払拭(ふっしょく)にはつながらず。9日午前には、同局職員が自殺していたと見られることも明らかとなった。同日夜、決裁文書の国会提出時の担当局長だったなどとして、佐川宣寿国税庁長官が辞任した。