[PR]

 「ナチュラルキラーT(NKT)細胞」と呼ばれるリンパ球の一種を活性化させて、免疫細胞によるがん細胞への攻撃を促す免疫療法の開発に向けて、慶応大病院や理化学研究所が12日、臨床試験(治験)を始めた。

 NKT細胞は、がんを攻撃するさまざまな免疫細胞の働きを高めるおおもとの役割をしている。また、免疫細胞の攻撃を長期間、持続させる働きもある。

 理研の谷口克グループディレクターらは、NKT細胞を比較的簡単に取り出せる血液細胞を発見。この血液細胞を使うと、これまでより数倍高く、NKT細胞を活性化させられるという。さらに、この血液細胞に結合してNKT細胞の活性化を開始させる人工物質も開発した。

 臨床試験では、患者の血液を採取し、この物質を加えて培養。その後、点滴によって患者の体内に戻し、安全性やがんを抑制する効果を確かめる。

 臨床試験は20歳以上、75歳未満の患者が対象。最大で18人程度を想定しているという。肺がんや大がんなどの固形がんでがんの種類は問わない。2019年12月まで実施し、21年度からは企業との臨床試験に進めたうえで、24年度の承認を目指すという。谷口さんは「多くの免疫療法の効果は一時的なものだが、NKT細胞による治療は長期の効果が期待できる」と話している。

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(服部尚)

服部尚

服部尚(はっとり・ひさし) 朝日新聞記者

福井支局をふり出しに、東京や大阪の科学医療部で長く勤務。原発、エネルギー、環境、医療、医学分野を担当。東日本大震災時は科学医療部デスク。編集委員を経て現職。