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(13日、平昌パラリンピック)

 勢いある滑りに若さがあふれていた。アルペンスキーのスーパー複合男子座位で頂点に立ったのは、オランダの18歳、イエルン・カムプスフレールだ。

 高速系と技術系の合計タイムで争う種目。苦手な1本目のスーパー大回転は迷わず攻めた。勢い余って、スキーが何度も弾む。コースアウト寸前で旗門ギリギリを滑り抜け、大歓声が上がる。首位と0・83秒差の3位。この時点で逆転がみえた。得意の2本目の回転では別格の滑りをみせ、2位に計1・32秒の大差をつけた。

 「思い描いた展開。夢がかなった」。表彰式で人さし指を突き上げた。4位で29歳の鈴木猛史は「失敗を恐れず、攻められる若さがすごい」と脱帽した。

 生まれつきすねの骨がなく、1歳で両足をひざ上から切断した。4年前のソチ大会。14歳だった少年は観客席で世界トップの滑りを見ていた。オランダの強化策の一環。「壮大な雰囲気に圧倒された。でも、おかげで今回は臆せず滑れたんだ」

 週に5回はナショナルスポーツセンターに通い、肉体を鍛えた。アルペンでは、体重が増えると滑り降りるスピードも速くなる。この3年で体重を10キロ増やした。昨年の世界選手権で3冠(スーパー複合、大回転、回転)に輝き、勢いに乗って初のパラリンピックに乗り込んだ。

 5月に卒業を迎える高校生。ライバルである18歳のイエスペル・ペデルセン(ノルウェー)も銅メダル。「将来は僕らの時代さ」と言ってのけた。(高野遼)