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 パラアイスホッケーで準決勝進出を果たした韓国に、北朝鮮で孤児になり、脱北した選手がいる。FW崔光赫(チェグァンヒョク)(30)。13日の1次リーグの米国戦では0―8で敗れたが、攻守で相手と何度もぶつかり、ゴールを狙った。「大舞台で緊張せずにできて個人的には満足。次戦も最初で最後のように必死で戦う」と話す。

 北朝鮮の貧しい家庭に生まれた。国中を飢饉(ききん)が襲い両親は離婚して家を出た。10歳になる前、育ててくれた祖母が亡くなり、孤児に。鉄道の乗客にアイスを売る仕事で生計を立てた。

 韓国紙の国民日報によると、2000年5月、列車を降りるタイミングを逃し、思わず飛び降りた。左足をひかれ、麻酔無しの手術でひざから下を切断した。障害を負ったことで、「死んでもいい」とまで思ったという。だが、1年後にブローカーに誘われて韓国へ。すでに脱北していた父親と再会した。

 ソウル近郊の脱北者向けの学校に通い、教員の指導もあって障害を受け入れられるようになったという。入学した大学の教職員に勧められて競技を始めた。週末も休まず練習し、14年にクラブチームで選手に。16年には強豪の自治体チームに入った。

 パラリンピック初出場となった11日のチェコ戦で、韓国の観衆の大歓声を受けた。「どこで生まれたかは大きい問題ではない。観衆の応援ももらえた。今は後悔せずに幸せに生きている。私にとってこのスポーツはそんな意味がある」(高浜行人)